Total Today Yesterday
創作の中から詩/詞のみを掲載したページです

2007-06-05 20070604

_ 「カーテンコール」

優しく手を引く少女に導かれた先は
白いカーテンの中に渦巻く地獄
夢と希望が絡まって自壊する季節

空を切って耳を削ぐ 陀仏と化す重低音 重度な石化 体温は四分三十三秒
こ、こ、は、ひ、ど、い、あ、つさ ミ、ル、ク、セ、エ、キ、み、たい ね、つ、と、り、と、し、て、いて それでいて耐え難く宇宙の中心だ
君の声が聞こえる方へ、鬼が笑い、鬼が逃げる そこは禁じられた場所か、さあ、確かめろ 不安定な四本足で、這い回り、影に沿う 不気味な点線が描かれた。僕等の行き先を破線が示す
互いの顔を舐め回して確かめ合うんだ ここが何処で、君が誰なのか そして僕が、君の何なのか 答えを識らずに這い回り、静かに時間は溶け始める 君は何だ、僕は何だ 白いカーテンが嫌な匂いを撒き散らして ゆっくりと、燃え尽きていく

2006-11-27 pseudo lyrics

_ 「kanvas M-3」

足元が闇で見えず
微かな光を踏み潰し 踊る
蟲を殺すように un deux trois
毒を吐く前に捻り潰す

屍の山から溢れ出る 赤いぬかるみに足が滑る 悍ましい程の dance macabre 死の香りに目が眩み出す
全てを壊したお前に似合いの 終末を処理する暗黒の中 今にお前は笑い出すんだろう? 全てを終わらせた喜びの中で
魂が昇る 綺麗だ 嫌な匂い 綺麗だ 動きが止まる 綺麗だ だがそれはお前を少しも満たさないのだ

_ 「kanvas M-4」

アレの音が聞こえて
見透かされる侭に身動ぎ
ト音記号を描いて
不協和音をバラ撒く
実際 酷い夢だった
夢である間はね

現実を思うままに Skip 涎が出るような夢なら Keep 脳を直に叩くのは Beat 心が壊れる前へと Seek
妄想を思うままに Play 例えるなら見た事もない Sky 気が付けば何もかもが Glay それでも仕方なく Stay
アレの音が聞こえたまま 破れる音、感じる音、塞ぐ音、汚す音 SkipSeekSkipSeek どうやらどこで止めても無駄だから Stop

_ 「kanvas M-5」

核心を掴みかけた指が 触れたのは生ぬるい水
冷めかけた体温とそれは似ていて 慌てて手を引いた
破壊を宣言する 色も匂いも温度も魂すら

創造主では無く破壊主 何も違いなどありはしない 始まりなくして終わりがないなら どうかいっそ終わりを選ぶ 完全な終わりをもたらす為の日々に乾杯
一瞬にして赤 それは恐らく血の氾濫 一瞬にして黒 終わりではなく始まりでもなく 一瞬にして何か 見たこともないような 何も見えなくなる最後の一瞬
巨大な数に0を掛けて 出来上がるモノが見たい 可能性が∞と云うなら それは0以外の何かになる 試して笑ってそれでおしまい
終末論へ、虚無主義へ、最高の贈りモノを届けよう 不自然なくらいに自然な 汚れなき者達へ
赤になる前に、黒になる前に、何かになる前に 一瞬にして0 嘘吐きな生命体へ 一瞬にして0 驚く程に自然で 空虚な最期がそこに残された
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_ gato [仮想のバンドの為の歌詞。最初期のVisual/GOTH時代を意識して書いてある。]


2006-09-01 recent works

_ 「無題」

乾いているんだ
生乾きの夢から感じる湿度を
枕に泌みた血の一滴を
酷く汚した下着の臭いを
さぁ、掻き集めて、拾い集めて
満たされるまで眠るしかない
手を開いた、傷だらけだ、やけに綺麗だ
手を結んだ、それで変わる?何が掴める?
くまげら、ひぐらし、暴虐のcicada
一歩目に崩れた
二歩目に立ち止まった
三歩目で落ちる
四歩目はない
五歩、六歩、七歩、八歩、
ない、ない、ない、ない、ー

_ 「egophobia」

自我と云う物質が生まれて、すぐに腐敗するさまを
自我と云う物体が薄ら笑いで観察している
虚無に似た自己完結
何かを伝える為の嘘と
何かを伝えると云う嘘をバラ撒き
その円環は何も囲めずに閉じてしまった
それを見て幾万の環も閉じる
同じ完結を夢見て、巨大な自己完結の環が閉じる
満たされたと云う錯覚、満たしたと云う誤解
全てがまやかしであるが故の奇妙な現実感
水を飲んだ筈なのに、すぐに喉が渇くのは
水を飲んだ夢を見ただけなのだと気付かない
一瞬だったら不可能が無い世界で
創造と云う名の幻想と
唯一と云う名の同一が
自我に似た物質を焼き払い、すぐに燃え尽きるさまを
自我に似た物体は気付かずに見殺しにしているのだ

2005-09-15 buzz budd

_ 「夢理」(ゆめことわり)

私の妹は七年前に殺され四年前に食されそして今まさに私が犯そうとしている
この腐れ死体に成り果てているのである。
名前は体から付けられた四文字で、名付けたその日に父母は両瞳を体温計に
てくりぬいて、大量に溜まっていた緑色の何かの温度を測り始めた為、結局、気
気狂と呼ばれるようになっていた。
そう云えば左肘の脇には、虫の卵が産み付けられていた。体の中にはその他に
も毛玉、キリギリスの足、時計の針、水銀、阿片、無数の鱗、血管につまっていた
針、皮膚の代わりに貼り付けられた旧約聖書など、壊死した体とそれらの物質
は違和感もなく、私は只、声を上げた。
あの時の温度は何度だったか、忘れていた。母に聞くと、眼球の代わりに埋め
たままで知らないと云う。因みに私の体温は42度7分。妹は14度1分だった。
激しい怒りと昂ぶりが襲って来たので、私は妹を本当の名で罵って、体温計を
抜いてやった。妹はそこで初めて、止まる事もなく涙を流していた。私は乳房に
貼られた旧約聖書を読んでやった。

_ 「アルミ殺人」

胸を掻き毟ると表出する脂肪塗れの自己愛
セックスするなら俺自身がいい
違和感を感じて嚥下するとそれは言葉だ
血液中を満たす俺以下の存在
叩き潰すなら先ず目の前の男を
              虚無でも何でもいい 鏡を手に取り、部屋に戻る
俺はお前じゃないから俺はお前を殺すしかない
母を父を姉を斬殺した後に、夜に溶けたお前を探して
お前は俺じゃないからお前は死ぬんだ
独り言を喋るお前、そんなに己が嫌いなのか
              断絶するカンバーセーション
              四散するコミュニケーション
              自滅するマスターベーション
良い具合に汚れ切った場所で、相応の俺が存在して、お前らを皆殺しにして、
愛するモノと暮らしたい。

_ 「ビームブレイド」

初っ端から死体の山で送るB級ポルノ
耐え切れず早送ると浮かび上がる砂塵
そこで俺は一度目の死。
トゥーマッチ  トゥーリブ
楽して人を殺すにはこれしか有り得ないと考える
ブリキ以下の存在感で咲き誇って放尿人生
誰も俺から逃れられぬと知れ。

切断に継ぐ切断は意味にすら及ぶ 既に人は人では無く、自壊すら許されぬ 何故なら俺は二度目の生。 トゥーヤング トゥーピス ガラスの向うで笑ってる肉に乱射すると、 取り零したスプーンの中にちっぽけな愛の歌 ぴいぽうらららら えるせるめるけれのるるううう あっはは一緒に歌ってくれ ぴいぽくすすすすっけん
若し君が分解の憂き目に遭い、その大事な物が懐から零れ落ちた時に、良けれ ば遺言をそこに貼り付けておいてくれ。俺はそれを大声で歌い狂い、飽きて忘 れて思い出し笑いにて消費してやる。その汚い物は、手も触れずに葬って思い 出したくも無い。

_ 「浅薄にて」(あさはかにて)

何時何時にもそのような夢を語る声が響く 
    飲み込まれぬ様に意を閉ざして 
        その時に忘れてきたのだ、左耳を 
不自由にて海岸に 
    そこにも置き忘れていた、六年も前の古いことば 
        口を衝く吃語は
越天人命無色即是  弥見御戸似非似非虚仮苔 越泉綺路義呂素 
絶望的に雄弁なり 
    再び辿り着いた砂浜に、 
流され打ち上げられた寺山 
忘れるな  今こそは  私の掌にある  沈む色をした  そのノスタルジア

_ 「螺旋律」

小汚ねぇ言葉で糞の様に垂れ流す
                                      善悪及び有象無象
偽者の名も着れぬ事を恥じるがいい
三日目には忘却の彼岸に漂着する
                                      真偽及び森羅万象
俺は旋律のある言葉を信じない

右に見えますのは虚言で造り上げました意味の斜塔。既に傾いているのは己の 所業が何事にも立脚していない所為であります。数十億の馬鹿面がそれを支 えて居ります。人柱と呼ばれるそれは直に塔と共に果て、泣き叫び乍ら本懐を 遂げるでありましょう。

_ 「空回るコーラル」

過去には賛辞を 
            現在には落胆を 
絶望すら空回る 
            「空回るコーラル」

何時か何処かへ何かを探しに行く 何時?何処へ?何を?見つかる? 虚言だよ、進む事すら出来ない 前も後ろも見えていない 左右に操られ 潰され
微塵も無い存在 存在ではなく概念 概念を紐解くと 腐りかけのケーキ 木端、先端、末端
大切な物は裏側にあり、 クズ籠を度々溢れさせる

_ 「971203」

耳、肉、ピエトロ  と三度唱える事により
その籠の中から脱け出せるとしたら、
私の声帯が震える前に忘れろ忘れろ忘れろ
寂には氏腺が詰まって居り、
決して沈黙を内包しては居ないのだ
両腕に有刺鉄線が絡んで解けないのなら
それこそ云うべき言葉が存在し、
伽藍と崩れるゴム製の魂に決別し、
自らの体とこころに27個所の間違いを見付ける。
だろう。
そうだ。
忘れるために。
けすか。
あうと。
いろどりを失う。
ろすと。
きみと。
終焉白書に火を灯す。
消し忘れて燃え盛る。
未だに白いままだ。
読むべき行間すら無く。
無く泣く亡く鳴く
そして忘れる。
耳と云う
肉という
ピストルと云う。
そしてまた、間違いを重ねるのだ。

_ 「ラジカリスト」

ラジカリストラジカリストラジカリスト
                        ノットオプティミスト
ラジカリストラジカリストラジカリスト
夢を見ると旗が燃えて居り、
目覚めると人形を刺す日々
殺人ぷわあん  内臓ふくうん
口いっぱいのミンチ
舌で掻き回して、血肉以外を吐き捨てろ 

唾棄、ゴー、フィン、走り出した
否非、エルス、フィン、背を向けた神体
ラジカリストラジカリストラジカリスト ラジカリストラジカリストラジカリスト ラジカリストラジカリストラジカリストオアノット 俺が終わる前に、 俺が始める。

_ 「光線」

俺は感覚のリピーター
売人にABCを教え
アジアの絶望をJETで越える
愛あるべしと諭し、
夢見る毎にウナされ、
何も無い掌を切断し、
身を投げて自決の手付き
頭を肉欲にめり込ますと、判るんだ
長い間、俺は光の中の光を探していた
信じていた者に妹を犯されながらも
加速して行く光の中に飛び込み、
そこにある光を、
光を
光を
全身を針の穴に通す
あなたを轢死した妊婦に縫い付ける
手に入れた大切なモノと、
絶望的に悲しい何かと、
零れ落ちた新しい命
誰か俺をネガに焼き付けてくれ
俺は光ってるか

_ 「理由なしの自決」

数時間ファック  死するべきファック
爾ゝゝゝ  耳に針を突っ込み  俺も飛ぶ 

落下中
イデオロギーの飛躍を抱え込み、意味から無意味へ 首の切断を免れ、瓦落多の中で立ち上がる 刺殺の挽歌を唄う老婆を叩き壊し、 更に増殖を続ける
落下中
眼下にファック アスホール 言語意識下で踏み躙る 肉×27648 空耳か。 ヒウ。
落下中
イデオロギー無き落下 人間空爆 爆雷回天 意味から無意味へ ファック
落下中
壊れた死神経 晴れ後自決 時々 皆殺し 70%の肉塊 28%の空気 残る全てに自決の念を詰め込んで
落下

_ 「虚飾」

壊せ  めまいを
許せ  俺達を
歪む  煌めきが
途轍もなく悲しい

全てを取り外しました 皮も剥ぎ取りました 感覚も無害です それで救われるのでしょうか
刻む、この体に 耐え難い色と形 骨も換えますから 許してください
云ってる側から腐れ落ちる 鼻と足と耳と中指 腐れ人間だ、はは 始めから終わってるぜ

_ 「文鳥」

青白い迄に火照る顔を晒し
  日が沈む迄、白痴面を被る
    途方も無い自我に潰されて
      蟻の如き所作に気が狂れる
籠は何時でも開け放しで
  それでも帰らぬ理由があるのか
    立ち所に失って行く
      全てを取り零して終う
        別れも謂えずに八ツ裂き
          楽な消え方
            同時に楽な消し方。 
目の前の開かれた扉に 
  自らの手招きを映して 
    そして、 
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_ gato [おそらく大学卒業直前から就職直後くらいまでの作品。例のバンド向けに書いたものもあるが、基本的には日記のように書いてい..]


2005-07-01 old lyrics

_ 「壊乱」

そろそろ嫌になって来ている
あぁ 滅茶苦茶に
あぁ 木端微塵に

こんなもんだろう 見てみろ 狂った様な47度 くるくる回った上に ぴたりと 止まって見せろ 狂いのないスピン
あぁぁ その夢を あぁぁ 分かって無い 擦れ切って腐り切って 余りの悪臭に見向きも出来ずに 高過ぎて恐れ多くて今の自分にそぐわないと思って居る そんな訳ないだろ
どうしようもなくなって とにかく叫んでみせろ 瞳が水を吐き出す前に その喉を血で塗すんだ
下着なんか破り捨ててしまって、自分自身の飛沫をその腐れ切 った筈の夢に注ぎ込んで、カリスマをかなぐり捨てて、粉末に 全てを託してスカイ・ハイ。
どうしようもなくなったら 千切れ飛んで、 だららと赤く成って あぁぁぁ、もう駄目だ、どうしようもない 舌が取れれれ 足が縺れ、て、 目が裏返って どうしようもない。

_ 「倫敦」

ボンジュール人に成って
クルーエル君達の声
エナメルのか自分を
枕が無ければ眠れぬマントラ

天丼を喰え 行灯を掲げろ 見るな! 私達を! 残った君は、そうだ、倫敦へ行け
倫敦 倫敦 楽し過ぎる 愉快過ぎる 悲し過ぎる 惨め過ぎる
処女から降臨した あなたの心は余りにも奇麗。 そして、海を越えて行く船に羅針盤を備え付け 北西の未知なる方角を指す。 長かった侵略に目を伏せ北国の風にくたばる時 独裁者が聴く音は、
ハイル! ハイル! ハイル! 倫敦! 洗えども血が消えぬその手よ! 狂えども身に映えぬ日の出よ!

_ 「Red Crimson」

収束する壁の向こう側に
巫山戯た痴態を晒す者共が居て
そして自分の回転軸を探し続けて居る

擬態された枯れ葉が 踏み躙られる一瞬に 己れの存在を呪う夕暮れ時
赤と云うよりも、それは寧ろ血だとするべき
かくれんぼの鬼が 当に銃殺されて居るのに 枝の上に隠れながら見る夕焼け
赤い旗を振って、彼岸の莫迦共に知らせてやれ
詰まらない事だが 君達の存在について質問させては呉れないか 裏側に何も無いと云うのに どうしようも無く堂々と 紛れも無く煌々と そこに在る事が出来るのですか
赤になる一瞬に、どうしようも無く涙が溢れる どうしようも無く、紛れも無く、それが私達の色
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_ gato [懐かしい作品の中からチョイス。これも自作世界内バンドの為に書いた歌詞だが、この時期になると音楽的な制限を敢えて破壊す..]


2005-06-26 精神除法(仮)

止まるべきメタファーがまずある。闇という名の希望が自動書記をはじめて、ロック、それを行うべき
境地に辿り着いた。忘れた筈の記憶が目の裏を行き交い、それでいて眩しいまでの春の陽光が俺を
照らしている。見た事のない殺人現場。
「ロック」
とめどない旋律と遠くのサイレンと縛るべき自由。ゴッドセイブザクイーン。轟音、静謐、繰り返
される。それを忘れ去られる。あくまで方法として、それはあり続ける。
風来。遠くのサイレン。同調して増幅し、鼓膜を破る。蝸牛にさえ震動が伝わる。手を休める事なく
聞こえてくる常套句や秘かな目線がインパクト。ゼリーの中に見た。
アウトローからイントロに進むこと。手を止めて始めて気付く交通快楽。
トラウマ、強迫、ドラッグ排斥、肉弾、全体、絵画、死線、輪転、ドロウ、ファストパンク。
気になっても筆が走るのを止めようとしない精神を結合して言語感覚は寂を裂くように黒い
軌跡を卑しい紙切れに散らしていくのだが、やはり忘れてはならないのが目の奥に澱む半刻に近い
遠近法に彩られた虚数の世界であり、iから始まりjで終わり、なし崩しでzを犯す
単語の反乱。古めかしい文字が虐殺される瞬間。あ、と呻く間に、い、と果てる先にある何か
を掴めずに、う、と終わってしまう。何故に黄昏に挿入される。フィルムがもう足りないのは
分かっていた筈だった。もう終わりに気付いていた。ただ、前を見つめるだけでは救えないのは他な
らぬ自分の精神で、がらんどうであった肉体の先に進む為に、捨てたモノを拾い集めて這い
回る。胡乱なシェイクスピア。斜めに詰まっていく歪な立方体。何かをしまう場所など残されていない。
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_ gato [実験的に始めた自動書記プロジェクト。まだ何も始まってはいない。]


2004-04-04 20040329

鮮やかな黒に溶ける影
水族館の水が肺を青く満たす
君達の色が命の無いものに滲み出て
この世界はもっと綺麗になる

ゆるやかなカーブの向うに目指す砂浜があって 自転車に乗った僕の体が右に左に さくら丸が座礁した海辺へ急ぐ 海の色と夕日の色と雨に濡れた立体眼鏡 何も見えなくなって、立ち止まって、何気なく振り返ったんだ
ノートの一頁目にだけ貼り付けた新聞の切り抜き 残りは全部白紙のまま 台風の中、たった一隻で港を出て、誰も帰ってこなかった さくら丸は方舟みたいに、波打ち際に横になっていた 夜、月明り 彼女が届けた者達の日記を僕は書こうと決めた
十二月二十九日 天候 晴 速度は時速四キロ 北北西に進んでいる 学校まで、およそ九時間 朝礼には間に合いそうにない 宿題も忘れている でも学校には行きたいなあ 夜の海って、まるで黒い絨毯みたいだって、教えてあげなきゃ
幸せと差し違えてでも、差し違えてでも 悲しみと差し違えてでも、差し違えてでも 僕はあの人の身代わりになっていたいんだ 自転車が石に乗り上げて、ガードレールの下に落ちる 忘れてしまうのか、忘れてしまえるのか 人の色は赤、海の色は青 僕の絵の海は紫 そっちの方が綺麗だと思うんだ 光が色を飲み込むように 絵の具が色を吸い込むように 差し違えてでも、差し違えてでも 僕の見る世界が 僕の見る朝焼けが 僕の見る風が 僕の見る海岸が あの人が見る世界に ゆっくりと溶け込んでいって あの人が見た世界に ゆっくりと混ざっていって ゆるやかなカーブの下で気が付くと 真っ直ぐに僕を見下ろす光の束 何もかもが一緒になって カラカラ回る車輪の音を聴きながら もう学校には着いたのかなって 足下の砂の感触を 確かめながら
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_ gato [最近はそれなりに風景を意識して書いている。]


2004-01-21 early works

_ 「崩れ出す」

渦巻いている拍手と雑音に
			崩される僕が居て、
渦を巻く夜、蹴り上げた破片は
			崩れ去る私。

グルグルと廻される、分離機の中 許されぬ存在は弾き飛ばされる ガラガラと崩される、煉瓦の塔は その内に瓦礫の中の砂と成り果て
血塗るだろう 煙草の様に 終わらない 紐の様
見えて居た筈の 堕ち行く僕の姿 私はその時、何時だって盲のフリ 星を見る様に、海を見る様に、分離機を見ていた
血塗りなさい 阿片の様に 戻れない 傷の跡
拍手と雑音に 崩される僕が居て 蹴り上げた破片は 崩れ去る私 激しくも煩くもなく、─だけど何時か 音のない二人だけど、…崩れ出す

_ 「ヒナ」

逃げ出そうとしている 口唇は崩れきった
あの舞台上で
帛を裂け、叫びたければ
「叫べないだろうけど」

雛が踊る 紅を散らして 紅が二つ 黒が一つ 二人の雛が舞う 何故だか分からない 何時の間に黒が見える 紅を拭う葉よ 舞う影を映してくれ 二人の口吻を 今此処に
決別した筈 あれは終わった 幻・覚・だ・現・実・は 現・実・だ・幻・覚・は 今も、雛が舞う、独りで、
叫ぼうとして崩れる 叫ばずに崩れ切った 皹の走る口唇から白い顔まで 弾け飛ぶ
現実は幻覚だ 幻・覚・ハ・現・実
紅が二つ、黒が一つ 紅が一つ、弾け飛んだ。

_ 「Stille≧Noise」

雨の音が 何時までも 耳にこびり付いた儘
私は生き続けて居る
気狂いの暗転

空を見るがいい 止められぬ カタストロフ 崩れた そして 千切れた
寂の中に生きた私 喧騒を知らぬ、私が見る絶対値 卵殻を破る事が無い
舌を挿し入れて 何を挿し入れて 私は何を産み出すのだろう 揃いも揃って 雑音ばかりだ
無駄な交配 劣等種の蛋白 何時までも 耳を塞いで居られない
今も耳の中で雨が刺さり続け 既に雑音にしか聞こえない

_ 「noises in the world」

Your noise, factor, air, earth

言葉は成る可く短めに
総体数は限られて居るのだから
noises in the brain, insect, worm, destroy
生命は成る可く安易に 扱われる筈のもので、 世界の上で思い上がる 存在ではない
時計の針が音をたて 世界中を埋め尽し 恰も世界が 自分の掌で回って居る様に 高笑い
足音が引き摺られ 世界中を埋め尽し 恰も世界を 神の踏み絵の様に 貶め、 空笑い
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_ gato [自作の世界のバンド「glasad」の為に書いた歌詞。 高校生くらいの時、だろうか。または大学一年頃。 敢えて似た語彙..]


2003-11-29 20021111

_ 「無題」

昆虫の目と息がコールタールに沈む
忘却液に我が身を浸すのは明日にしよう
静寂が欲しいんだ
それも完全な
ここは、色がある
漂白するべきだ
分裂する思考
早く眠りたい
包帯を外し、街へ出て、心を閉ざし
何もなかったように眠りに就く
何も云う事はない
それとこれとは
話が別だ
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_ gato [かなり無茶な作品。一人カットアップ。]


2003-08-26 20030826

_ 「無題」

たとえば そう
終わりない旅路の果てに
行き着いてしまったとしたら
馬を乗り捨て その足を切って
終りない未来へ歩こう

手にした拳銃に弾はあるか もうナイフは錆付いてしまった だから 二つに一つを選ぶんだ 君は撃ち抜けるかもしれない この頭を 君は突き通せない この心を
いつだってそうだ 何もかも上手くは行かない 目を瞑って飛んで 見つけたら壊して 肩にくいこんだロープが またあの場所へ引き摺っていく 僕を 探している筈の僕を 気が付いたら円を描いていた 僕の世界は 内なる世界は この図形みたいに美しいのだろうか
基本的な楽園を 概念ではなく力を 求めるモノが何であれ それは殺し合いの道具になる ねぇ、奪い合った先に、何があると思う 血を見て「綺麗だ」と云った君に分かるか 円の中心に座って眺めた空が まるで プラネタリウムみたいに丸い事に気付いて 刃の無いナイフを握りしめて ロープを首に巻きつけて そこがもし僕の心の内側なら 外に一体何があると云うんだ
暖かい手を放して彼は人ゴミの中に消えた 誰かが必死になって彼を探した もう戻らない彼は 今日も何処かを歩いている 走りたい靴を磨り減らして 倒れるまで パレードの続きを パレードの果てまで
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_ gato [少し違う作風で。]


キロギロス since 2003